DAY 3 ★南アルプス縦走 |
■BANZAI的縦走シリーズ 2009年夏
■南アルプス編
■3日目 天候-曇り 霧 強風
朝食:しょっぱい系パン1個
昼食:荒川小屋でラーメン
おやつ:パワーバー ココナッツ味
夕食:百間洞山の家でとんかつ ビール(ロング缶)
宿泊:百間洞山の家 1泊夕食付きで7,000円也
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問題の3日目。
朝からけっこうガスってる。寒くはない。
AM3:45 小屋の主人に別れを告げて、小屋を出発
寒くはないので上着も何も着ずに歩く。
しかし標高が上がり、樹林帯を抜けるとすごい風。
飛ばされそう。(いや、実際何度も飛ばされたw)
ウィンドブレーカー(少し防水)を1枚着て、しばらく歩き
いや、もう1枚着るかと、ソフトシェル(まったく防水なし)をさらに着て
ここでワタシは大きな失敗を一つやらかしました。
この時点でゴアのレイン上下をきっちり着るべきだったのです。
まだ大丈夫だろう…登りだから身体は暑くなるし…
雨降ってないし…
そう思って歩いてたら、気づけば霧で身体はびっしょり。
そしてすっかり冷え切ってしまった。
まだ動ける、でもヤバイ。
このままだと低体温症に陥る可能もあるかも…?
幸か不幸かワタシは低体温症になった人を目の当たりにしたことが
2回ほどあって、その兆候とかなんとなく予測がつく。
まだだいじょうぶ、でもヤバイ。
ヤバイならさっさとゴアのレインを着ろっつー話しなのですが
とにかく強風。ここでレインを着るのもままならない感じ。
AM 6:30
荒川三山・前岳到着
すぐ近くに中岳避難小屋があるはず。
そこで落ち着いて着替えよう。
がんばれ、ワタシ!
AM 06:41
荒川三山・中岳到着
そして…やっと見えた!中岳避難小屋!
(まだ写真を撮ってる余裕はあるw。ブロガーの意地か)
でも凍えてる。寒い。
小屋に「スイマセーーン。休憩させてくださーい」と言って入っていくと
小屋の主人が「ザックは外に置いて!!」と厳しく一喝。
あぁ…休憩の人はザックは外に置けと書いてありますね。ハイハイ。
でも中から着替えとか出したいの。
寒くて外でこの作業ができないの。風もすごくて飛ばされるし(T_T)
そんなわけで入り口を入った土間の部分で、とりあえず着たいものだけ
さっさと出させてもらって、それでザックを外に置こうと作業をすばやく。
しかし、小屋の主人は
「そういうのも外でやって!!」
……お代官様、ご無体な(T_T)
でもまじでやばいくらいに冷えてるの。
「はいっ、今すぐ外に!」と答えながらも、作業を敢行。
着替えだけ残しザックをようやく外に出す。
とりあえず小屋の中でフリース着てゴアの上下着て、
靴下履き替えてゴアソックス履いて、
靴下履き替えとかのために靴を脱いだら
「休憩の人はあがっちゃダメ!」とまた一喝。
ワタシはヘリに腰掛けてたんだけど、
ここにも座っちゃいけないのかと思いビックリして立ち上がった。
すると「あ、そこに座るのはOK」と主人。
畳みの上にあがりこんじゃいけないという意味だったらしい。
履き替えるために靴を脱いだだけだったんだけど…
叱られることにビクビクするワタシ。
休みたくてここに来たけど、小屋の主人が怖くて
気が休まらなーい(苦笑)
寒い。
ブルブル震え出すまではいかないのでまだ大丈夫。
でも寒い。冷えた…冷え切った。大失敗だ。
小屋にストーブがある。
あぁ…ストーブつけてくれないかなぁ…と思うも
ワタシのためにそこまではしてくれないだろう。
どうにかして身体を温めて復活させなければ。
小屋での飲料&食料メニューが目につく。
小屋にはワタシと主人のみで他の登山者はいない。
「すみません…温かい飲み物って、この時間お願いすることできますか?」
できるというので、インスタントコーヒー(300円也)をお願いした。
お湯が沸くのを待って、しばらくしてコーヒーができあがって
温かい飲み物で身体を温める。
まだ全然ダメだ(T_T)
しかし、飲み物を頼んだのがよかったのか、小屋の主人の態度が少し軟化した。
少しずつ会話が進み、だんだん打ち解けていった感じ。
天気がこのまま崩れていくのか
天気が崩れるならエスケープルートを考えなければならない。
ルートの相談を小屋の主人にすると、ワタシが北沢峠から来たことを知った主人は
「北沢峠からの縦走なら、やっぱり茶臼岳までは行きたいところだね…。
とりあえず今日は予定通り百間洞の小屋まで行って、明日決断したら?」と。
ここからのエスケープとなると
1.このまま悪沢岳(3141m)を越えて千枚→椹島 椹島から畑薙第1ダムまでバスで戻る
2.赤石岳(3120m)を越えて百間洞の小屋に泊まり、翌朝赤石岳を登り返し、赤石小屋経由で椹島。椹島から畑薙第1ダムまでバスで戻る
3.赤石岳(3120m)を越えて百間洞の小屋に泊まり、翌日は聖岳(3013m)を越えて聖平小屋まで進む。聖平小屋から降りて椹島。椹島から畑薙第1ダムまでバスで戻る
はたまたエスケープはせずに行くとしたら…
4.赤石岳(3120m)を越えて百間洞の小屋に泊まり、翌日は聖岳(3013m)を越えて聖平小屋まで進む。聖平小屋から茶臼岳経由で一気にダムまで降りる
5.当所の予定通り
どこをどうしたって、帰るためには強風の3000m峰をクリアしなくてはいけない。
まずは悪沢岳アタックの断念を決断。
そして小屋の主人のアドバイス通り、
ひとまず百間洞の小屋まで行って、そこで考えることにした。
これが賢明と思われた。
コーヒーの他、主人が余ったお湯もくれたので、お湯をぐびぐびし
だいぶ身体はましになり。
そうしていると登山者が3名新たにやってきて、
小屋の主人はまた「ザックは外に!!」と厳しい顔に戻ったのでした。
行こう、赤石岳へ。
避難小屋に別れを告げて、しばらく下ること1時間弱。
AM 8:36
荒川小屋到着。
食事もOKということなので、一番温かい食べ物!とリクエストし
ラーメンをいただいた。
インスタントラーメンだけど具だくさん。
するとそこに昨日の避難小屋で一緒だったベルギー人カップルがやってきた。
おーーまた会ったねーー!と再会を喜び。
彼らは荒川小屋に停滞するか、赤石岳を登って赤石小屋に行くか
ここで温かい飲み物を飲みながら考えるとのこと。
さて、身体もけっこう復活!
ゴアのレインってすごい威力だな~~とあらためて感心しつつ
荒川小屋をあとにした。
さっきの避難小屋の主人からいろいろアドバイスや
ルートの説明をしてもらってたのね。
その1つに大聖寺平は風がすごく強いところだから、気をつけろ…と。
ここが本当に風が強くて、えっちらおっちらやっとこさっと進む感じ。
でも予備知識があるのとないのとだとずい分気構えが違う。
最初に冷えちゃったときよりも、気持ちがしっかりしてきた。
よし、進もう!
ガスで身体は濡れるけど、雨が降ってないのは御の字。
この風に強風が加わったらそれこそ……(怖)
AM11:42 小赤石岳
そしてついに……
AM11:41
赤石岳到着!!
他にも登山者が3名いたので
(彼らは荒川小屋に荷物を置いて空身でピストン)
お互いに写真をとりあいっこ。
何がなんだかわからない写真ですが、とりあえず本日の難関までやってきたのだ!
あとは風と戦いながら進み…
AM 1:12
百間平
晴れたたら気持ちのいいところなんだろうな…。
今日は風が強くて何も考えられない(T_T)
それでも時々。
少しガスが晴れて。
小屋が見えてきたーー
PM 2:10
百間洞に到着。 ほっと一息。
小屋番さんが
「昨日高山裏の小屋から連絡きてた方ですね(^^) 到着早かったですね~」
と声をかけてくれ、あぁ…小屋のオヤジの数十億の財産は無事守られたんだな…
ついでにワタシも命も無事に…と感慨にひたるのでありました。
ここでは手作りパンも焼いてるのです。
夕飯は名物のとんかつ♪
ご飯も炊きたてですっげー旨い。
難を言えば、炊きたて揚げたてを出すために、
1回の食事が8名と限定で、1組あたり持ち時間25分の一本勝負(笑)
猛スピードで食べなくてはいけない。
食べるのがあまり早くないワタシには、けっこう厳しいスピードでの食事だったな。
食事も終えてお腹まんぷく。
そして明日に向けていろいろ考える。
さぁどうする。
ところでね、意外と小屋って天気予報の情報がないもんなんだね。
百間洞の小屋でも全然わからなくて
でも、モロちゃんがネットで調べた山天気の予報をメールで送ってくれて、
これがとっても助かった!
モロちゃんの調べによると、翌日のこのあたりの山の天気予報は… 雨のち晴れ。
夕方から雨が降り出した。雨の前に小屋に入れてラッキーだったな。
さて、どうする?
どこまで行く?
当所の予定では、明日は茶臼小屋までCT12時間弱の行程。
ルートとして長くはないけど、600mほど登る上小河内岳越えがある。
さぁどうする?
PM 6:00頃就寝。
一つの判断の遅れが(今回はゴアを着るのが遅すぎたということ)
命とりになる。3000mの稜線で強風にさらされ続けるとどうなるか…
この身にその恐ろしさが刻み込まれた。
失敗は二度と繰り返さないようにしなくては。
怒濤の3日目、なんとか終了。