谷川・幽ノ沢 V字状岩壁右ルート |
予定:中央壁正面フェースルート
結果:思ったよりコンディションが悪いため、カールボーデンに着いた時点でV字状岩壁右ルートに変更
土合駅(別名:てんぷくトリオのセカンドハウス)で仮眠したのですが、なんとパッキングしたザックの中でハイドレーションが水漏れ(蓋の閉め方が甘かっただけ)。1リットルの水はハーネス・ビレイグローブ・スリング類にしっかり染みこんでいたけど、シューズが無事だったのはこれ幸い。とりあえず、少しでも乾かすために寝床周りにお店を広げる。
むぅ…出発準備段階でなんて不吉な!
<明日の朝のパッキングが憂鬱の図>
まったく、強い山ヤはどうして皆出発準備が早いのだろう。大門リーダーは3:20に起きるというので、ワタシはお店をたたまなくてはいけないし、大門リーダーと同じタイミングで準備を終了させたいから、その10分前に目覚ましセット。「ワタシが準備し始めても、3:20までは絶対起きないでくださいよ!(一緒の時間に準備を始めたら、ワタシが早く起きた意味がない)」と念を押すも、案の定大門リーダーはすぐに起きてしまった。ちっw
4:20頃、土合駅出発。ロープウェー乗り場手前の無料駐車場に車をとめ、てくてく歩き始める。いつものことだけど、朝早いので体が重い。
一ノ倉沢出合に着くころに明るくなり始めてきた。むーーん、上はガスっておるではないか!(T_T) トイレを済ませて、さらに進み、幽ノ沢出合へ。
<幽ノ沢出合>
この幽ノ沢を詰めてゆくのだけど、これがしっかり沢登り。ワタシは最近投入したFIVE-TENのアプローチシューズ(ガイドテニー)、大門リーダーはサロモンのトレランシューズ(ハイキングシューズ?)。ここでシューズの性能の差が相当出て、大門リーダーは濡れたスラブでズルズル滑り、少々苦戦を強いられていた。反対にワタシのシューズはフリクションばっちりなので、うほうほしながら歩いてゆける。ワタシが大門リーダーをスピードで抜かす日ができるとは…うしししし(注:シューズのフリクションの問題なので、実力で抜かす日は多分一生来ない)
バーゲンで何となく買った(買う時は本当に必要なのかなとかなり迷った)アプローチシューズだけど、こういうところでは素晴らしい効果を発揮するな!!買っておいてよかった!(ただし、長い下山ではとても足裏が疲れるのが難点)
最初はナメがキレイだと喜んでいたのだけど…
へつるのが困難な釜も出てきたりして
カールホーデン界隈に到着。…が、ルートはガスの中。
振り返ると白毛門方面。今日の天気予報は霧ときどき晴。
ルートの状態を眺め、大門リーダーは「中央壁は無理だな。第2案のV字状岩壁右ルートに変更」と決定。中央壁よりV字状岩壁右ルートの方が登りやすいので、悪いコンディションでもある程度の時間でトップアウトはできるだろうという判断だった。
とりあえず、取り付きまで行かなくてはね。カールホーデンからロープ出します。アプローチ1P目。
うほうほ
2P目はメパンナリード。
フォローのリーダー。
取り付きまでロープが伸びず(これはワタシの失態※)、もう1Pリーダーのリードで。
さて、取り付き界隈から1P目スタートのメパンナリード。スラブをトラバースするのですが、支点はまったく取れずめちゃ怖い。
屏風での反省を元に、今回はカムを持ってきた。さらに、大門リーダーからハーケンの小さいやつみたいなんも託された。しかし、プロテクション取れそうな場所はない。たまに割れ目(すき間?)があって、中の泥をかき出してみるも、フレアしていてカムセットできず。カンカン打つにしても、足場が安定してないからそれはそれで危険。結局、この写真のこの位置までプロテクション無しで進む。
(でも、後でルートの詳細をぐぐってみたら、もっと上からのトラバースがトポ上のルートらしい。)
2P目:大門リーダー 濡れ濡れのフェースをあがる。後できいたらリーダーはこの濡れフェースでかなりテンションが下がったらしいw
3P目:メパンナ ルートがよくわからない。どこも弱点に見える(苦笑)。トラバース気味に進んだところに懸垂用の残置があったのでそこでピッチを切ったけど、ルート的にはここの支点は使わずに直上が◎だった。
4P目:大門リーダー そのようなわけで無駄にトラバースしてしまったので、再びトラバースして直上
トラバースしているので、ビレイ点がクライマーの真横。
メパ:「こうして見るとけっこう壁たって見えますよ~」
リーダー:「おぅ。でもガバガバなんだよ」
メパ:「ガバガバですかぁ~。じゃあデシマルグレード5.6ですね!」
リーダー:「バカヤロー、がっかりすること言うな(怒)」
…と、リーダーをがっかりさせつつ。
5P目:メパンナ(写真なし)
6P目:大門リーダー
この辺りからかなり冷え込んできて(濡れたし)、二人とも寒さにガタガタ震え始める。ワタシもレインの上着用。昨夜水漏れで濡れたギアを一生懸命乾かしたけど、こんだけ濡れるなら乾かしても意味なかったな…(^^;;
7P目:メパンナ 少し上がると、草ボーボー、蜘蛛の巣ばんばんなルンゼ。右にはフェース。えーーっ、蜘蛛の巣ルンゼは行きたくない…と思いつつ、ビレイしているリーダーに「このルンゼを行くんですよね?(気持ちはすっきりなフェースに行きたい)」と再確認。仕方ない…とあまりきれいじゃないルンゼに突入。
そんなあまりきれいじゃないルンゼを登ってフォローを迎える
8P目:大門リーダー またもや右にはすっきりなフェース、左は泥のルンゼ。やっぱりここも泥のルンゼを進む(後で調べたら、右のフェースを登っても同じあたりに出られるらしいですよ!)
ルートとしてはこれで終了。あとは堅炭尾根に詰めるのだけど、時間も押していて道迷いは避けたいということで大門リーダーがトップでルーファイ。
もはや何も見えない…。
そして、その藪こぎの詰めはワタシには厳しい…(T_T)。
無事中芝新道に出たら、けっこうな風で寒い!急いでレインの下も着て、軽く腹ごしらえ。中芝新道に出る時間がもうちょっと遅かったら、谷川岳経由の西黒尾根で下山という話をしていたけど(えーーっ、下山長いーーヤダーーw)、この時間なら暗くなる前には林道に着けるだろうと踏んで、中芝新道を下ることに。
中芝新道は急だし滑るし、 途中数カ所ルートが崩壊していて迂回したりと、ここでもワタシには厳しい…。
メパ:「西黒尾根も濡れてるとめっちゃ滑るじゃないですかーー。谷川岳経由なら天神平まで行ってロープウェー下山したいところですよーー」
大門:「ロープウェーの営業時間に間に合わないだろー」
メパ:「いや、誰かいたら動かしてくれるかもですよー(無理ですw)!」
みたいな会話を繰り広げつつ
やっとガスの下に出てきたよ。
そして芝倉沢に出ます。
生き残りの雪渓。
林道に出たら「あぁ、整地された道ってスバラシイ!」と、ルンルンになったヨ♪ そして未舗装林道が舗装路になったら「アスファルトってすげーな!」と今度は道路を堪能。最終的には車に戻って「車サイコー!!!」と文明の利器を絶賛の巻。
感動的結末は、ロープウェー。うちらが駐車場に戻ってきたら、ロープウェーがまだ動いているではないか!聞いてみたら、9月と10月は星の鑑賞会をやっていて、9時まで運行してるんだって!!(でも予約制?) なんだー、天神平からロープウェー乗れたじゃないか…的な(笑)
駐車場:4:20頃
一ノ倉沢出合:5.20
幽ノ沢出合:5:50
1P目スタート:9:50頃
トップアウト:13:40頃
堅炭尾根:15:10頃
芝倉沢:16:40頃
幽ノ沢出合:? ここでヘッ電ON
一ノ倉沢出合:?
駐車場:18:50頃
(※)メパンナの失態……ワタシがリードでロープいっぱいになった。あともうちょっと上がれれば安定したところに着けそう。3級程度のところだったから、ロープいっぱいになったら同時登攀にしたらよかったのに、そこに考え及ばずビレイできそうなところまでクライムダウンを始めた。大門リーダーは同時登攀になると思って上がり始めてたと思う。クライムダウンしてロープはたるむし、危ない危ない。