冬合宿2012-2013 ☆ 西穂高岳西尾根 ②

この西穂西尾根の特徴として、第一岩峰までずっと尾根歩きで危ないところがないってところ。

そしてこの第一岩峰から先、一気に西穂山頂へ突き上げるので、斜面も急になるし、岩と雪稜が交互に現れることになります。この日の行動は絶対的に長時間行動。この核心部を通過して西穂山頂へ、そして西穂山荘へ降りるわけですが、天気が良ければそこまでの時間はかからないと思うのだけど、どう考えても1日は冬型の低気圧…すなわち吹雪。とにかく体力と迅速な行動が必要とされます。

リーダーのブリーフィングにて「12時を目安に山頂を目指す。それまでに着かなかったら、西尾根をそのまま戻る。」


2013年1月1日(3日目)AM6:00暗いうちからヘッ電つけてスタートです。 

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第一岩峰は左から巻いたり、右から巻くのもあり、でも直登もOKなよう。我々は前夜に大門リーダーが偵察に行ってくれていて、左から巻きました。すぐにルンゼ状の雪稜。S先輩がワタシと某M氏を上からビレイしてくれて、その間に大門リーダーはロープをどんどん伸ばします。


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第一岩峰を越えたところ。

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もうこのあたりは指示のとおり必死に登っていくのみ。

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途中からは大門リーダーを先頭にアンザイレン。1本のロープで4人がつながれます。正直、視界が皆無というわけではないけれど、吹雪いてるし、どれが尾根なんだか全然わかってなくて、もうひたすらついてゆくだけ。

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えっほ、えっほ。ちなみに撮影時刻はAM8:38。


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途中、トップをリーダーから某M氏に交代する場面も。

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がんばってるぜ、ワタシ(^^)v

ある時、向こ~~うの斜面を見上げて大門リーダーが「あ、先行パーティーだ」と。某M氏も「あ、ほんとだ、見えた!」って。ワタシはこの時は全然わからなくて、すぐ近くまで接近するまで気づかなかった(^^;; そうしたらほどなくして、その先行パーティーが幕営した跡地に到達。


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ここ、幕営跡地。AM10:48。

そんなに危険なところではなかったのでリーダーがワタシと某M氏に先に行っていいよと言われたけど、お腹が空いたので(何も補給してなかった)ここで補給のための休憩をちょびっとしました。小さいチョコクリームパンを1個とビスケット2つ。両方もらいもの(^^;; 自分の補給食、たくさん持ってるのに頂戴してしまった。今思えばそれなりにこの時点で疲れてたのかも。緊張とかもあるしね。

そこからちょっと上がったら先行パーティーがいました。「新年おめでとうございます(^^)」とご挨拶。

そして我々は彼らをパスしてガツガツ登ってゆきます。先行パーティーをパスして何ピッチ登ったかな…。「あ、山頂!」吹雪の中、山頂の道標が突如としてすぐそこに見えたのです。これがラストピッチでした。嬉しかったなーー!


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PM12:07。山頂到着!


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写真撮るの相当必死(笑)ワタシの髪の毛が白い毛糸のようになっとります。


山頂に出ると強風。覚悟はしていたので耐えられるけど、それでもやっぱり強風は強風。登頂の握手を皆でかわし、すぐさま西穂山荘に向かって下降を開始します。

……が!

ここでリーダー痛恨の勘違い。西穂山荘とは逆の奥穂側に降りてしまいます。ワタシも、山頂に出たら右方向…(注:こういう右とか左という覚え方はしてはいけないよ!w)って思ってたのに、何も考えずについていってしまった。反省。1ピッチ降りたところで「こんなにルートはしょっぱくなかったはず…戻ろう」と言い、登り返し。

山頂で地図を確認すると逆であったことが判明。「地図で確認は面倒がっちゃいかんな~~」と皆で軽く笑いながら再び下降開始。

そこからは時々支尾根に迷い込み、間違いに気づいてルート修正をしつつ。風はどんどん暴風になっていき、体が厳しくなってゆきます。

支尾根に迷い込んだとき、リーダーのアイゼンが外れて転がっていったときは、心臓止まったな~~。途中で転がってるのが止まったからよかったけど。

あと、リーダーのザックにくくりつけてた銀マット2枚が暴風で飛んでいって、サヨヲナラプーになったな~。母さん…ボクのあの銀マット…どこに飛んでったんでしょうね…。


そして15:30頃。時折視界が少しよくなり、ピラミッドピークらしき三角が見え、リーダーが一言「ここで幕営する」と号令。

そこはコルに雪がたまったところ。皆で風にあおられつつ必死にピッケルで雪を掘る。でも岩が出てきたりでイマイチ。「あっち側の方が良さそうだ。テント場移動!」とリーダー。

一段上になったところに移動して掘る。怒濤のスピードで整地し、テントを設営、そしてテント内に転がりこみました。テント内でS先輩、某M氏、メパンナ3名寒さで震えてしまいます。リーダーはまだ外で作業。岩にロープでテントを固定、皆のアイゼンとワカンを飛ばないように紐でつなぎ、ついでにトイレまで掘っていてくれました。ターミネーターのような強さのリーダー、すごい…すごすぎる。

リーダーの記憶では、ここを逃すともうテント場は難しかったはずって。このまま強行で独標を目指すということもできるけど(独標をクリアすればルートファインディングがかなり楽になり、ルートも安全になってくる)、強行したら遭難の危険も。ならばここで暴風雪をやり過ごすべしという判断。一息ついて落ち着き、携帯を見ると皆の携帯に会の人からの連絡の跡。電波は繋がるので電話をしてみると、我々の安否を心配して電話をくれていたようです。4人とも元気な旨を伝えました。

ガス缶の残り、食糧の残りを確認。どちらも十分にあります。実は今回リーダーからはガス缶1人3個(4人で合計12個)持ってくるように指示があったのです。「そんなにいるのかな?」と思ったけど、この十分なガスのおかげで、初日に雨で濡れた衣服や道具を乾かすのに惜しみなくガスを焚けたし、そして今、暴風雪の中ひたすら耐えるのに多いに役立っているわけで。さすが!という読み。ワタシがたてる計画なら、絶対ガス缶そんなに持たなかったと思われ…。

寒いのでシェラフに潜り込み、あとは朝を待つのみ。時折恐ろしいほどの暴風がテントをたわませます。エスパースよ、がんばって持ちこたえておくれ~~~~!!!!(懇願)

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2013年1月2日(4日目)


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ぬぼーっと起きました、おはようございます。

この日、風が少し収まってくれれば、下山開始で予定の日にちゃんと下山できたんだけど、暴風雪は弱まることなく、かえって威力を増している様子。会の人に電話連絡をして、今日1日停滞することを告げました。そしてひたすら寝正月。あぁ…今日は某M氏の誕生日だった!本人はまさかこんな天気の中、標高2800mで過ごすことになろうとはと思っていることでしょうw

暴風の中ではトイレが大変。多分体が冷えてるからだと思うんだけど…こんな状況なのにトイレが近いワタシ(T_T)トイレに行くときは靴を履いてロープを体に巻いて決死の覚悟でテントの外へでなきゃいけない。用を済ませてテントに戻ると、寒さでしばらく手が痛くて動かせない(>_<)

そして、気温の低さでテント内に雪が降る。結露が凍っちゃってるんだよね…


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これらの雪、外から吹き込んだとかじゃなくて、テント内で空気が冷えて雪になって降りつもっちゃってるの。これがまた冷たーーーい。次第にシェラフは湿りがひどくなり、あまり暖を取れなくなってきてる。足指、やばいかもな~~と、シェラフの中で必死に足をこすりあわせる。指はぎりぎりのところかな?また凍傷かぁ…とちょっとアンニュイ。すごく気をつけてるのに、冷えやすい体質はカバーしきれないのだろうか(T_T)

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もう雪まみれ~~。何回もS先輩が雪をかき集めて外に捨ててくれました。


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2013年1月3日(5日目)

4時起床。風はまだ暴風。予報では風が弱めになるのは6時以降。「6時起床に変更。」とリーダー。もう1回寝て6時に再度起きて。なんとなく風がましになってる感じ。そしてなんとなく空が明るい感じ(吹雪いてるけど)。よし、出発するぞ!と出発準備スタート。

撤収の段取りを打ち合わせて、一気にすばやく撤収作業。ワタシはと言えば、アイゼンがなかなか履けなくて、アイゼン履いてる間に撤収作業が終了していたという、マヌケで情けない状態(T_T)

ゴーグルをつけてたけど、あっという間に凍りついて視界がなくなり、出発前にゴーグルは外してしまいました。ウールの手袋は凍ってしまってオーバー手袋が入らない。諦めて予備のグローブをザックから出してはめなおし。安全環つきカラビナは環の部分が凍って空かない。うぎゃ!!もう足手まといもはなはだしい。あーー情けない!!

ともあれ、昨日よりはマシになった風の中、下山開始。AM8:00過ぎ。

またちょびっとルートに迷いつつ進み、あぁピラミッドピークだ…と思ったところで、向こうから救助隊の皆さんがやってきた。最初に2人、あとから5人くらい。

なんとりりしい姿!「気をつけて下山してくださいね~」と救助隊の方からお言葉を頂戴した。一歩間違えれば自分も遭難しかねない状況で救助に向かう彼らに、心から敬意を…。

ここからは救助隊のつけたトレースをたどってゆけばOK。独標を越え鎖場をやり越し、ルートが歩きやすくなった。そして遠くに西穂丸山が見え、そこにはたくさんの登山者の姿が!戻ってきたーーー(嬉)!

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西穂山荘着 AM11:50

この雪だるま、上から降りてきて目にしたとき、ワタシが「雪だるまだー♪」と言ったらS先輩は「違うよ、かがみ餅だよ!」って(笑)正面にまわったらやっぱり雪だるまだったわw

西穂山荘前は風がおだやか。時折うっすら青空。ピラミッドピーク付近での強風が嘘のような穏やかさ…。ここにいたら上があんな様子だって全然想像できないね。軽く補給して、会の人に西穂山荘に着いた旨電話して、すぐにロープウェイ乗り場へ。風呂だ風呂だ~という感じで新穂高温泉に戻りました。

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5日間を経過した某M氏の愛車はすっかり雪まみれ…w


停滞日が発生し、下山が1日遅れたことで、皆様にはご心配をおかけいたしましたm(_ _)m

西穂西尾根を登った人の記録をいろいろ調べてたら、第一岩峰から山頂まで1時間半って人もいましたヨ。その方々はザイル出さず、天気良しの状況だけど、ワタシ達はザイルありの吹雪で6時間。天気と技量に大きく左右されるよねぇ。1月1日はどんどん天気が悪くなっていった感じだったから、自分にもうちょっと力量があって、スピードアップできてたら、西穂山荘まで1日のうちに降りれてたかもなぁ。

ともあれ、厳冬期の縦走の安易な軽量化はイカん。燃料と食糧が十分にあったことは心の余裕につながりました。そしてエスパースは頑丈だった…。ポールは曲がってしまっていたけど、破けることなく暴風に耐えてくれた。ありがとう!らぶエスパース(*^^*)


おわり

(あと、まとめの記事をもう1回書く予定(^^)/)
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Commented by 車 大八 at 2013-01-08 13:17 x
うわぁ、よくぞご無事で・・・ 無事でも無いか。
お疲れ様でした。
Commented by もも at 2013-01-09 20:43 x
ともかく無事で何より、、メパンナさんのブログで雪山から遠ざかるmomoでした。(笑)
Commented by mepanna at 2013-01-10 12:36 x
>車大八師匠
お騒がせしました~(^^;;
Commented by meapnna at 2013-01-10 12:37 x
>ももさん
なんか久しぶり!?(^^)/
雪山は見てるだけでもキレイだから、
行く必要はないわよ~~w
あ、3月名古屋行くよ。
ついでに言うなら今度の日曜名古屋に出没するよ(日帰り)
Commented by boku at 2013-01-10 14:13 x
稜線での停滞でしたか。 キツかったことでしょう。いっぱいお肌癒やして下さい。
すれ違った救助隊は、報道されてたアノ方々を迎えに行ったのでしょう。
寒波とは言え、集団遭難でなくて良かった。
CLに丸ですね。
Commented by mepanna at 2013-01-11 12:36 x
>bokuさん
テントが壊れたらヤバす…という感じでした(^^;;
CL、体力・技量ともにとってもスゴいのです。本当にターミネーターみたいです(笑)
by team-banzai | 2013-01-08 12:49 | 冬山 | Comments(6)

最近はもっぱら岩をよじ登っております。


by team-banzai
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